#6-その空虚な役割をリセットして

「サムライだね/武士道だね」くらいに遠い世界
清水淳子 2024.07.01
読者限定
いつか買った花。「丸くなるな、星になれ」というサッポロのコピーを思いだす。遠くから見ると丸でも、近くで見るとソリッドな存在や人々が好きです。

いつか買った花。「丸くなるな、星になれ」というサッポロのコピーを思いだす。遠くから見ると丸でも、近くで見るとソリッドな存在や人々が好きです。

音になるまえの声です、こんにちは。今日は大学の授業が終わって、時間がある幸せな日。有名ではない駅のカフェで作業をしている。久しぶりの思考の自由時間。海外旅行くらいに贅沢でクラクラする。二時間だけのバカンスが頭の中で流れる。でもいきなり自由なモードにはなれない。プールに久々に飛び込むと水温が体に慣れないような感じで、ぎくしゃくしてしまう。規律を遵守し、家と命を守るモード。そのモードと遠い歴史と未来を覗き込む芸術のタイムラインはとても相性が悪い。その居心地の悪さを携えて、音になる前の声を書くことでウォーミングアップ。こんにちは。

そういえば、このメルマガを書くようになってから、私がもっと話したいな~と思てた方々から「読んでるよ!あのことについてもっと話そう」と声をかけてもらうようになった。本当に嬉しい。この年齢になると学生時代の時のように、ログインボタンが光ってるからって、夜中にいきなり「起きてる~?」とスカイプしたり、チャットで意味もなく「ねぇねぇなにしてる?」なんて送ることは、なかなかできない。(その行動を今だに許してくれる数少ない古くからの友人には本当感謝)

そんな風に思ったことを長々と伝えることは、大人にとっては、なかなか非日常な行為になってる訳なんだけど、メルマガはそれがサクッとできちゃうのが面白い。前回の配信は深夜12時過ぎてから送ったのだけど、何通かは、直ぐに開かれて読まれていたことがインターネットを通じて見えていた。(誰かはわからないけど、どんどん開封されるのが目に見える仕組みになってる)

メルマガを始める前には、深夜にtweetしてたかも。何人かから「いいね」をもらうことで、言葉が消えずに残ったり、埋まる距離感もあった。でもメルマガは、Xにはもういない人々にも、tweet(音になるまえの声)が届くのがよいところ。消えてしまうはずの私の声が、テクノロジーの力で、今日もあなたのメールボックスで再生された。この面白い仕組みのある時代に生きててよかった。テクノロジーと登録してくれた「あなた」にありがとう。

今日はもう7月。梅雨が続いてるので夏っぽくないけれど、もう夏なのか。私は、3月から仕事復帰して、今日で4ヶ月になる。大学の仕事は100%復帰して、フリーの仕事の方は20%ほど復帰できたかな?という感じ。いきなりアクセル全開は怖すぎるので、恐る恐る少しづつ踏み出して、石橋を叩いて渡ってるような気持ちだったけど、もう少しアクセルを踏んでみたいと思う。そんなことを昨日、パートナーの俊くんに打ち明けてみたら、「ぼくは後衛として全力で頑張るからまかせて!じゅんちゃんはもっと前に出て自由に活動してきて!」と頼もしく言ってくれた。その言葉、そのシーンだけを取り出すと、「令和の柔軟な新しいスタイルの夫婦!」というふうに見えるかもだけど、そこに至るまでは、お互いのジェンダーバイアスを取り除くための膨大な時間の内戦があった...。そのことについてはまた今度しっかり書きたい。本当に泥臭い対話たちが土台になり今日の風景がある。

で、家族の生活基盤を経済的にリードする者として、娘のイオちゃんが過ごしていくための住居についても考えるようになってきた。先週思い立って、家を探しに不動産屋さんに出かけてみたのだけど、「ご主人は今日は?」「ご主人の意見は?」といちいち聞かれる。こういった時に、ジェンダーギャップを大きく感じる。その時に私が思う音になるまえの声をここに。

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